朝、父が母に言ったらしい。
「プリンタの字が出ないんだよなー」
父は別に母に直してもらおうと思っているわけではなく。
母から私に頼んでもらえないかと思っているらしい。
母は「私に言ったって知らないわよ!」と言ったという。
# そういうことを父が言ってたと、母から告げ口があった
さて、夕飯の支度をしている時に父が言った。
「りこ、お願いが……」
どうしてこの人はご飯食べている時とか準備している時とかに面倒を言うのだろうか。
「この忙しい時にろくでもないこと言ったら怒る」
と言ったところ、夕飯が終わるなり「今暇ですか」と訊いて来た。
夕飯の後には片付けという作業がね……。
しかし見かねたのか母が「ここはいいから見てあげちゃってよ」と言うので、いたしかたなくプリンタの前へ。
プリンタヘッドはちゃんと稼動していて、即ちプリンタ自身は自分がちゃんと印刷していると思っているわけだが、印刷された紙には何も字が印字されていない状態だった。
……うん、インクが出ていないんだね。
クリーニングを二度したらかなり出るようになった。あと黄色が出ていないが、とりあえず印刷したいのは黒と青の名刺原稿らしいから、さしあたってはいいだろう。
「じゃ、これでいいのね?」
と訊いたら父は言った。
「もう一個の名刺がさー、電話番号が消えちゃってさー」
……そんなものは自分で入れろ。(その名刺原稿は父が作ったのだ)
その後、電話番号を入力できたかどうかは知らない。