久々に姉と会った。漫画の話で盛り上がった。
姉は、ある人のコミックスを買ったと言いたいらしく、言った。
「ほら、あの、絵がヘタウマ系の」
「遠藤淑子?」
「いや、遠藤淑子系だけど、そうじゃなくて、ほら、りこも持ってる、あのおばけの、暗い男の子の」
「桑田乃梨子?」
「そう!」と言いながら姉は笑ってしまった。「なんで、今のでわかったの!」
……いやだって、普段から「あれ」とか「あそこ」とかで会話してれば、十分な情報量があったと……。
ちなみに最近の母と私の会話。
「おかーさん、今日の買い物はどこに行く?」
「あそことあそこに行きたいんだけど」
「でもあそことあそこじゃ、パンが買えないんじゃない?」
「じゃ、あそこにも寄って」
「わかった」
そして結局、あそこ(服屋)とあそこ(安い食料品屋)とあそこ(パン屋)とあそこ(野菜の直売をしているお店)に寄りました。
上司の「あれ」はわからないことが多いが、母の「あれ」とか「あそこ」はわかることが多い……。