1ミリかそこらの虫が、家の中を飛んでいる。我が家では悪意をこめて「チビ」と呼ばれている。
飲み食いしていると顔の傍にいる。台所など水場にもよくいる。テレビやディスプレイの前にもよく現れる。
刺したりするわけでもなさそうだが、何分にも鬱陶しい。
退治して退治して退治して、さあもういないだろう!と思っても、またどこからか二匹くらい現れる。その繰り返しだ。一匹の影に30匹なのか。
以前にもこんなことあったなあ、繁殖の時期なのか?
貴様一体何者だあ!?
と思って、「チビ」の正体を突き止めるべく、Web検索してみた。「黒い 小さい 虫」検索。
……どうやらコバエのような気がする。繁殖時期も丁度今だ。
クワガタやカブトムシを飼っている人の悩みの種らしく、そのような方々のサイトで対策とか色々載っていた。ハエトリグッズも数々載っていたが、改めてお金をかけるでなくやれそうなことといえば……、蝋燭をつける、か。
夜、電気を消して蝋燭をつけておいたら、五分のうちに4匹を退治できたという例があったのだ。幸い、何故か私は蝋燭持ちだ。いやなんだかいただきものとかで色々あるのだ。キャンドル立てもある。
さて、夜、明らかに私の部屋に一匹はいた(元々、私の部屋にはさほどはいない。やはり台所、居間に多い。次いで母の部屋か?)。寝る前に部屋を暗くして蝋燭をつけてみた。待つことしばし。
おおっ、飛んで火にいる何とやら!
というわけで確かにあっさりと退治ができたのだった。
しかし私の部屋には紙だの糸だの燃えるものが多い。地震でもあったらと思うと、火をつけたまま寝るわけにもいかない。稼動できるのはせいぜい寝る前のしばらくだけだなあ。
(酒や果物が好きだという話があるので、電気を付けている時でも蝋燭の周りに酒などを用意しておけば、退治できるかもしれない)
そして朝。台所でまたチビが出た。「チビ!チビ!」と騒ぐ母に呼ばれて一匹を退治した。そうしたら母が言った。「あーあ、朝っぱらから殺生して……」。
おーい、退治して欲しくて呼んだんだろう? 君も殺生教唆だろう。